風雪に耐えて初めて味わえるほろ苦さと香り。涙なくしては鍋をつつけなくなる、真冬の春菊物語・・・。
![春菊 ナナ](http://www.engeiguide.com/wp-content/uploads/2021/01/syungiku05-1.jpg)
あの・・・すみません、わたしは春菊の妖精をやっています、ナナと申します。すき焼きや鍋料理でお目にかかります、あの春菊です。名前の通りの菊の仲間なので、お花も咲かせるのですが、菊のような豪華なものではなく、質素なものなのかあまり知られていないのが寂しいのですが、葉を味わってもらえることで皆さんのお役に立てているのならうれしい限りです。冬の寒さに耐え、朝霜に耐えるわたしは、緑の少ない冬場のお庭にもお役に立てたりします。全体的に園芸作物としては「華のない花」とようで恐縮ですが、ひと冬お付き合いいただけると幸いです。
- 11/1スタート種植えナナ
秋も深まり、そろそろ涼しい風が吹いてくる頃。他の植えものが実をつけ、朽ち枯れていく季節がわたしのスタートです。種はまるで、「下のほうの前歯」のような形だったりします。
- 11/8発芽!ナナ
いよいよ晩秋の頃、種蒔きから2週間もすると、「すいません、失礼します」という感じで発芽するのです。双葉は豆形の楕円の形ですが、すぐにごらんのような本葉が出てきます。切れ込みが入ったこの本葉は、中葉種という一番ポピュラーな種類ですね。
- 11/15本葉が増える!ナナ
日増しに涼しく、いえ寒くなってくるのを喜ぶように、本葉は成長しその数を増やすのです。
- 11/22葉が大きく立派にナナ
種を植えてひと月足らずで葉がここまで成長します。けっこう成長が早いですよねわたし。秋の枯野に、不自然なまでの若草色で孤軍奮闘です。
- 11/29葉が長く伸びるナナ
師走を前に、葉の形が整いました。葉数も増えて、これで越冬準備万端です。
- 12/13葉が肉厚に(収穫タイミング)ナナ
太く。厚く、大きくなった葉と、茎。おいしそうです。このへんが一応収穫期ですね。ここでお鍋に直行するか、はたまた厳しい寒さをくぐって、より味わいと香りに磨きをかけ、最後に花を咲かせるか。思案どきです。ああそして、葉が「もしゃっ」とたくさん生えて過密状態になりがちなので適度な摘心を宜しくお願いします。
- 12/20寒さとの戦い始まるナナ
朝夕の冷え込みが厳しくなる頃。葉を地面すれすれまで伏せて耐え忍ぶわたし。葉先がしもやけのように枯れて、痛々しさを感じてしまったりします。
- 12/27さらに冷え込みと戦うナナ
大晦日近く。朝に霜が降り始めるとさらに厳しい状況に! 寒さに負けないわたしですが・・・寒いです。ああしかし、この寒さが、より深い味わいのもとになるのです。マゾ的なわたしです。
発芽は早く、また収穫までも1か月程度と早い。寒さには強いが霜に当たると葉が枯れるので、霜が降りる季節の前までに収穫するのがよさそう。花を咲かせるまで生育するのなら不織布や藁などををトンネル掛けして防寒対策をするとよい。
育成難易度:★★☆☆☆